高等教育におけるAI活用:革新的な利用事例3選をご紹介

By koki suzuki
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高等教育におけるAI活用:革新的な利用事例3選をご紹介

◇◆◇ 記事の要点 ◇◆◇

  1. 教育分野における管理業務を自動化の可能性
  2. 公平かつ包括的な入学プロセスの実現
  3. パーソナライズされた教育体験の提供

AIは、いまや高等教育の分野で革新的な利用方法が模索されており、教育機関や学生にとって有益なツールとなりつつあります。今回は、アメリカでAIが高等教育においてどのように役立っているか、具体的な使用例を通じて探っていきます。

近年、高等教育の教員たちはAIの進化に追いつく必要性に直面しています。Tyton Partnersの調査によると、定期的にAIを活用している教員はわずか22%であるのに対し、学生は49%ということです。このことから学生は教員よりもはるかに速いペースで生成AIソリューションを使用しており、このギャップは拡大しているということがわかります。

一方Intelligentの調査によると、82%の教育機関が入学手続きのワークフローにAIを組み込む計画であるということから、AIの導入は進んでいますが、広範な実験や採用においては企業に比べて遅れているのが現状です。

高等教育機関にはAIによって多くのメリットを享受できます。AIが資産となり得る分野にはどのようなものがあるか紹介していきます。

管理業務の自動化

ビジネス環境において、ルーティーンワークは従業員の貴重な時間を奪っています。AIツールやソフトウェア、プラグインなどは、これらの単調な作業を効率的に自動化し、管理する側のスタッフを多くの手作業の業務から解放することができます。

事務員を例にすると、学生の受け入れ通知後の書類処理や、ドロップアウトリスクのある学生の特定、従業員の強化などのプロセスが改善されます。実際の教育現場では、AIを使って成績表をスプレッドシートに転送したり、レポートを整理したりするような手作業のプロセスから教員を解放する支援機能を提供することが可能となります。

公平で全面的なアプリケーションの促進

最高裁による大学入試におけるアファーマティブ・アクション廃止の決定は、教育界に大きな波紋を投げかけました。この背景下、AIの積極的な活用が、入試プロセスにおける公平性と包括性を確保する新たな方法として注目を集めています。特に、AIを駆使したホリスティックなアプローチは、学生の多様な能力や経験を総合的に評価することを可能にします。

AI技術を用いることで、従来の数値に基づく評価から脱却し、学生一人ひとりの個性やポテンシャルをより公正に評価することが可能になります。例えば、機械学習アルゴリズムを活用して、学生の学業成績、活動履歴、推薦状、個人的なエッセイなどから、リーダーシップ能力、チームワーク、社会貢献といった非認知スキルを評価することができます。これにより、多様な背景を持つ学生が公平に評価され、より多様性に富んだ学生コミュニティの形成が期待できます。

さらに、AIは人間と比較するとバイアスがかからない判断ができるため、入試プロセスをより客観的で透明性の高いものにすることができます。一方で、AIの設計とトレーニングには、人間の持つバイアスが組み込まれないよう細心の注意を払う必要があります。

カスタマイズされた教育体験の提供

AIは、これまで不可能だった方法で学校現場でのパーソナライゼーションが可能になると言われています。例えば、Ivy TechではAIを使用しています。ここでは、独自のアルゴリズムを開発し、統計的に合格や卒業の可能性が低い学生を見つけやすくするプロジェクトを立ち上げました。

プロジェクトに関する記事によると、このアルゴリズムは、新しい学期の2週目までには、学生の最終成績を60%から70%の精度で予測することができたということです。その結果として3,000人の学生が合格に必要な介入を受け、無事に卒業をしたということです。

まとめ

AIの適切な理解と活用により、高等教育機関は限られたリソースをより効率的に活用し、学生にパーソナライズされた経験を提供し、より適切で多様なキャンパス応募者を促進することができます。

紹介した例は、AIが高等教育において果たすことができる役割のほんの一例です。これらの使用例を理解し、学生とのつながりを深めるために日本でもAIの可能性を最大限に活用する学校が現れることを期待します。

参考:https://www.forbes.com/sites/rhettpower/2024/02/04/3-innovative-case-uses-for-ai-in-higher-education/?sh=56ee51f029f8