AIブームの波に乗るアメリカの教師たち:教育現場におけるAIツールの利用状況

By koki suzuki
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AIブームの波に乗るアメリカの教師たち:教育現場におけるAIツールの利用状況

◇◆◇ 記事の要点 ◇◆◇

  1. 教育現場におけるChatGPTの優位
  2. 教師たちのAIツールの応用状況
  3. 教育現場への導入に関する懸念

ChatGPTが社会でのAI利用に火をつけてから早いことで1年が経ちました。その中で、教師たちも生成AIツールの導入をゆっくりと進めています。EdWeek Research Centerが2023年11月30日から12月6日にかけて実施した調査によると、アメリカで勤務するK-12(幼稚園から高校まで)の教師の3分の1が授業でAI駆動のツールを使用していると報告されています。

AIツールの実用事例と普及

これまでに教師たちは、授業計画の作成から、生徒への課題フィードバック、評価基準の構築、保護者へのメール作成、推薦状の執筆など、教育現場で様々な方法で生成AIツールを利用してきました。
これらのツールは仕事の質を高める手助けをしたと感じている教師もいれば、懐疑的な意見を持つ教師もいるということです。

教育分野におけるAIのポテンシャルと懸念

AI専門家は、K-12教育をもっと個別化された学習体験へと変革する可能性があると指摘していますが、一方で取り込んだ不正確なデータに基づいて誤った情報や偏見を持った回答を出力することがあります。また巨大なデータプライバシー問題を引き起こす可能性も考えられています。

教師によるAIツールの利用率

今回の調査で明らかになったのは、ChatGPTや他の一般的に利用可能なAIツールが71%と圧倒的に使用されていることです。
その下に教室でAIを使ったことがあるがツールの名前を覚えていないという教師が15%、GoogleのBardが12%、Khan AcademyのKhanmigoは7%、MicrosoftのBing AIは5%と続きます。また、学校向けに特別にデザインされたチャットボットやそれ以外のチャットボットもいくつか使用されていますが、その割合は低いです。

まとめ

この調査結果は、AIツールが教育現場でどの程度取り入れられているかを示す貴重な指標となります。特にChatGPTは多くの教師によって利用され、教育の質向上に寄与している可能性があります。しかし、教育におけるAIツールの利用には、まだまだ多くの課題があります。正確さの問題やバイアスの問題、データのプライバシーの保護など、これらのツールを安全で責任ある方法で利用するためのガイドライン作りが急務となっています。将来的には、これらのツールがより多くの教師に受け入れられ、教育の質の向上と効率化に貢献することが期待されています。

参考:https://www.edweek.org/technology/chatgpt-bard-copilot-khanmigo-what-ai-tools-do-teachers-use/2024/02