ギフテッドを育てるために、日本でも実践できる教育メソッドとは

By koki suzuki
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ギフテッドを育てるために、日本でも実践できる教育メソッドとは

10人に1人はギフテッドともいわれている通り、自分の子供がギフテッドなのでは?と思う方も多くいらっしゃると思います。今回は、そんな方々により参考になるような実際にギフテッド2人のギフテッドを育て上げたアメリカで有名な母親の教育方法や、アメリカで増えるホームスクールの実情、家庭で実践できるギフテッド教育などをパロアルトインサイトCEOの石角友愛の著書「アメリカギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方、天才の育て方」より抜粋してご紹介したいと思います。
ギフテッドの片鱗を見せる子供でも親や大人たちが気づかなければ、一生普通の人で終わってしまいます。ぜひこの記事でギフテッドの育成に何が必要なのかご理解いただけると幸いです。

我が子がギフテッドだと思ったら?2人の科学の天才を育てた母のアドバイス

アメリカで有名なギフテッドの一人に、15歳でがんの早期発見を発明した「天才少年」がいます。その子供はジャック・アンドレイカ君といい、実はお兄さんもギフテッドで兄弟二人ともインテルの国際学生科学フェアで優勝、入賞するなどの経歴を持っています。

その二人のギフテッドを育てた母親のジェーン・アンドレイカ氏は、アメリカでも有名なお母さんとして、TEDトークのビデオもありますのでそちらから6つの心得をみなさんに紹介したいと思います。

1.結果は褒めるな

褒めるのは、過程のみで、努力をしたというプロセスを褒めるのが大事であり、誰でも結果が出せるようなもので金賞を取ったとしてもそれを褒めることはしてはいけないとまず話しています。子育てでは、「頭がいいね」などの褒め方をすると、さらに難しいことにチャレンジした際に間違いを犯すのが怖くなってしまう子に育ってしまいますが、努力した過程を褒めることにより努力やチャレンジが素晴らしいというスキームが出来上がり、常に学習のチャンスを迎えられると言います。

2.答えは絶対に教えない

ジェーン氏は「どうして葉っぱが赤くなるの?」など親が説明できる質問でも、自分で答えに辿りつくプロセスを教え込むことが大事だといいます。その思考のプロセスを常に言語化し、説明させるようにすることが重要だと言います。多くのことを知っている人になるよりも、多くの質問ができる人に育てると、質問の過程でより多くのことを学ぶことができるのです。

3.アイデアブックを活用する

ジェーン氏の2人のギフテッドチルドレンは、常にアイデアブックというものと持ち歩いていて小さなアイデアもすぐにノートに書き留めるようにしていたと言います。アイデアという右脳に張り巡らされている想像力を、ノートに文字として形にすることで、左脳も活用することができるこどもを育てることができます。

4.簡単に成功できるものなどない

小さなステップの積み重ねが大きな成功を呼び起こすことは、さまざまな経験をしてしている大人からすると当たり前のようなことかもしれませんが、それを子供に教えることは非常に重要なことです。
ギフテッド=天才と聞くと、失敗知らずのイメージを持たれるかとおもいますが、人間ですので当たり前のように多くの失敗を経験することになります。粘り強さや、失敗から立ち直るという能力は、成功の一番の予測因子だと言われるほど重要ですので、この能力が身につくようにあえて難しい課題を与えて、それを遂行することの大切さを教えることが効果的だと言います。

5.目に見える問題は最大のチャンス

ジェーン氏は常に子供たちに、身の回りに起こることや社会の問題に目を向けるように育てたと言います。それもただ問題意識を養うという意味ではなく、「問題に見えるところこそチャンスが眠っている」ということを教えるためだったと言います。このようなピンチをチャンスと変える視点は、これからの時代に必要とされる起業家的思考力ですね。

6.親の辞書に「面倒くさい」はない

この15分のTEDトークで何度も強調しているのが、「親がめんどくさがってはいけない」という点です。親は仕事や仕事で忙しいことが多いですが、親がめんどくさがって、子供のためにさまざまな努力をすることを厭わない姿勢が子どもの成長には不可欠と言います。親が「面倒くさい」と思ってしまったらその時点で、何も始まることはありません。
ジェーン氏も2人のギフテッドを育てる際に2人になんの才能があるのか、与えれ得た選択肢は全て試して、最終的にサイエンスの分野で花開くものだと気付いたと言います。ギフテッドは、勝手に花開くものではなく、親が気づくために努力することも重要な要素だということですね。

ホームスクール=悪ではない?

子どもをあえて学校に行かせず、家で学習をみる「ホームスクール」と呼ばれる教育は、アメリカでは広く浸透しています。日本でホームスクールというと、不登校のような呼ばれ方をし、悪のようなイメージもあると思います。少し前にYouTubeで小学生の少年が学校に行かないことを宣言し、話題になったことも記憶に新しいと思います。そんな学校に行かないで勉強するという選択肢がアメリカではどのように見られているかについて紹介します。

実はホームスクールで育った人の中には、社会に大きな影響を及ぼした人が多くいます。例えば、発明王のトーマスエジソンは学校に馴染めず、先生からは劣等生の扱いを受けていました。また、アメリカの歴代大統領のうち、14人がホームスクーラーということもわかっています。奴隷解放宣言を出したことで有名なエイブラハム・リンカーンも独学で法律を学び弁護士になったことでも知られていますが、実はホームスクーリングの経験者だったといいます。

このことから、日本でいうところの不登校時の通信教育のような形と、アメリカのホームスクールはまったく次元が違うものになっていることがわかると思います。これから日本でも画一的な教育システムに疑問を持ち行動される親も増えてくるのではないかと思います。

家庭で実践できるギフテッド教育

これまでギフテッド教育の手法として、ホームスクーリングについて紹介してきましたが、必ずしも学校にいくことが悪ということではありません。社会性や強調性を身につけ、学校ならではの学びも多く得られると思います。

ただ、我が家の教育でもアメリカ式のホームスクーリングのエッセンスを取り入れてみたいと思われる方におすすめなのが、「プチ・ホームスクーリング」です。そんなプチ・ホームスクーリングのヒントをいくつか紹介します。

1.週末を利用する

共働きの場合、小学生のお子さんは放課後学童などに通うことが多く、お子さんとしっかり時間を過ごせるのは週末のみという方が多いと思います。まずは、週末に塾や、学校の宿題などをみてあげるのが良いでしょう。ここで大事にしてもらいたいポイントは、習慣化を意識することです。

2.ツールや材料を揃える

先述の15歳でがんの早期発見を発明した「天才少年」ジャック・アンドレイカ君が育った家は、地下が化学実験室のような形になっていて、最低限のルールを決めて、それ以外は何をしても良いというルールで毎週末好きな実験をしていたといいます。子供のギフテッドを伸ばすために環境を整えることも親の使命だということですね。

3.良い本を読むための時間とお金を惜しまない

本から学ぶ情報量は非常に多く、重要性は非常に高いです。また、早いうちから文字の本を読ませるのではなく、絵本の重要性を理解することも重要です。まずは、写真やイラストがふんだんに入っているような知的好奇心をくすぐる内容の本をたくさん買って、本に親しみを持たせることが重要です。

4.子どもからの質問が丁寧に受け止める

日本では、3歳ごろのなぜなぜ期と言われる時期を筆頭に、子育てが大変な時期などと言われますが、子どもから質問されることは、子どもを育てる最大のチャンスです。その背景には、知的好奇心があるということなので、どんなに忙しくても真摯に受け止め、答えを返してあげると良いでしょう。そのやりとりで、子供の知的好奇心はどんどん育っていくはずです

これらのヒントは、日本にいながらでも、共働きでも意識するだけで導入が可能ですので、ぜひ試してみてください。

おわりに

2023年から日本政府でもギフテッドチルドレンへの支援を開始すると発表があった通り、これから自分の子どものギフテッドを見極めたい!と思う親御さんは増えてくると思います。これまでの紹介してきた事例から言えることは、型にハマらない自由な環境で、子供が自発的に興味を持ったものに対して、行動し、問題を解決していき、また挑戦していくという一連のループが最も効果的な形であるのではないでしょうか。親のできることは、最大限の環境提供と、面倒くさいと意識を捨てるということに尽きます。ぜひ新しいチャレンジとして試していただければと思います。