オンライン講義ビデオの視聴速度が理解度に与える影響とは

By koki suzuki
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オンライン講義ビデオの視聴速度が理解度に与える影響とは

◇◆◇ 記事の要点 ◇◆◇

  1. 講義ビデオの速度を2倍まで上げても、理解度に大きな影響はない。
  2. テスト直前に2倍速でビデオを再視聴すると、テスト1週間前に通常速度で視聴した場合よりも理解度が向上する
  3. 試験直前に追加学習を行うと、理解度の向上が見られるという結果も

オンライン学習が一般的になり、講義ビデオの利用が増えています。特に、その再生速度は学習効率に大きな影響を与えると言われています。そこで、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のDillon H. Murphy氏らのチームが、講義ビデオの速度が理解度に与える影響について調査した研究をご紹介します。

この研究では、異なる速度での講義ビデオを参加者に視聴させ、その即時理解と1週間後の理解度を測定しました。その結果、ビデオの速度を通常の1倍速から1.5倍速、さらに2倍速に上げても、理解力に影響はほとんどないことがわかりました。しかし、ビデオの速度を2倍以上にすると、理解力が低下するという結果が得られました。

さらに、この研究では、ビデオを通常速度で1回視聴する場合と、2倍速で2回視聴する場合の学習効果も比較しました。結果として、2倍速で2回視聴する特別な利点は確認されませんでした。しかし、テスト直前に2倍速でビデオを再視聴すると、テスト1週間前に通常速度で視聴した場合よりも理解度が向上したのです。

これらの結果から、講義ビデオの速度を2倍まで上げることは、効率的な学習戦略となることが示唆されました。ただし、この効果を最大化するためには、追加の学習は試験直前に行うべきです。

講義ビデオの速度調整は学習効率を高める有効な手段であるといえますが、そのためには、節約された時間を追加学習やビデオの再視聴に活用すること、そしてその追加学習を試験の直前に行うことが重要となります。学生の皆様や、お子様をお持ちの保護者の皆様は、ぜひ参考にしてみてください。

参考:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/acp.3899